「座っている二人のメキシコ女」
北川民次 (版画家)
北川民治 作「座っている二人のメキシコ女」― 線が紡ぐ、魂の対話
この一枚の銅版画に刻まれているのは、単なる二人の女性の姿ではありません。それは、日本近代美術の巨匠・北川民治が、その魂の故郷と呼んだメキシコで捉えた、人々の暮らしの息吹と、静かなる魂の交歓そのものです。
ご覧ください、このミニマルながらも雄弁な描線を。北川は、ピカソに代表されるキュビスムの手法を独自に昇華させ、対象の多面的な本質を一枚の絵の中に描き出しました。正面と横顔が融合したかのような顔立ち、寄り添い、互いの腕が重なり合う構図。これらは単なる様式的な試みではなく、二人の女性の間に流れる、言葉を超えた親密さ、共感、そして共に生きてきた時間の深さを見事に表現しています。
左の女性の、民族衣装を思わせる直線的な衣服の模様と、右の女性の流れるように豊かな髪の対比。簡潔な線で描かれながらも、それぞれの個性と内面性が豊かに香り立ちます。その眼差しは、鑑賞者である私たちを静かに見つめ返し、彼女たちの人生の物語を想像させずにはいられません。
この作品は、北川民治がメキシコで得た、市井の人々への深い愛情と敬意の結晶です。力強い生命賛歌で知られる彼の作品群の中でも、本作は特に静謐で内省的な魅力に満ちており、その繊細な描線は、作家の対象に対する優しい眼差しを物語っています。
限定100部のうちの29番という、貴重なエディションナンバーを持つ本作。それは空間に知的な洗練と、時代を超えた普遍的な人間愛の温もりをもたらしてくれるでしょう。北川民治の芸術の深奥に触れる、珠玉の一品です。ぜひその前に立ち、線と線が織りなす静かな対話に耳を澄ませてみてください
サイズ:額寸h41.5×幅36㎝ 絵寸h20.5×幅15.5cm
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