「蜜柑 」
杉山寧 (日本画家)
杉山寧は、東山魁夷、高山辰雄とともに「日本画三山」と称される、戦後の日本画壇を代表する巨匠の一人です。その作品は、国内外で非常に高い評価を得ています。
高い描写力と造形力: 対象物を鋭い観察眼で捉え、それを確かなデッサン力と洗練された構図で表現する能力は高く評価されています。単なる写生ではなく、対象の本質を捉え、独自の美意識を通して再構築する力は、他の追随を許しません。
知的でモダンな画面構成: 伝統的な日本画の技法を踏まえながらも、西洋美術の要素を取り入れたような、モダンで知的な画面構成は、従来の日本画の概念を覆すものでした。
豊かな色彩感覚と質感表現: 鮮やかな色彩と、岩絵具などの素材を活かした豊かな質感表現は、観る者に強い印象を与えます。
静物画における独自の境地: 杉山寧は、風景画や人物画においても傑作を多く残していますが、静物画においても、その卓越した造形感覚と対象への深い洞察力によって、独自の境地を切り開きました。「蜜柑」のような身近なモチーフの中に、普遍的な美を見出す彼の才能は高く評価されています。
美術史における重要な位置: 戦後の日本画壇において、新しい表現を追求し続けた杉山寧の功績は大きく、その作品は日本の近代美術史において重要な位置を占めています。
現在でも、杉山寧の作品は美術市場で高い人気を誇り、特に晩年の作品や動物をモチーフとした作品は高額で取引される傾向にあります。「蜜柑」もまた、その高い芸術性と希少性から、美術愛好家やコレクターの間で高く評価されています。
サイズ: 額寸h49.5 ×幅66㎝ 絵寸h33.5×幅50cm
素材:パステル彩色 紙
