「バッタに乗る少女」
北川民次 (版画家)
北川民治 作「バッタに乗る少女」― 自由な魂が奏でる、夢とユーモアの詩
日本近代美術の巨匠、北川民治。その晩年、89歳にして描かれたこの銅版画は、画家の生涯にわたる芸術的探求が到達した、一点の曇りもない円熟の境地を見せてくれます。
画面に広がるのは、理屈を超えた楽しさと、どこまでも伸びやかな解放感です。大きなバッタの背に、安心しきった表情で身を委ねる裸の少女。風になびく髪、リズミカルに描かれたバッタの足。その一切が、熟練の筆致から生まれる迷いのない線のみで、生命感豊かに描き出されています。
若き日にメキシコで培った、大地に根差す力強い生命賛歌。その精神は、キャリアの円熟期において、このような軽やかでユーモラス、そして詩情あふれる世界へと昇華されました。厳しい現実を見つめ続けた画家の眼差しが、ここでは夢と空想の世界へと向けられ、観る者の心を優しく解きほぐしてくれます。少女とバッタという、ありえない組み合わせがもたらす微笑ましい光景は、自然と人間が一体となって遊ぶ、牧歌的な理想郷を私たちに見せてくれるようです。
特筆すべきは、この作品が「EP(作家保存版)」であるという点です。これは、画家が自らの手元に残した、いわば作品の基準となるべき貴重な一葉。その価値は計り知れません。
この一枚は、単なる飾り絵ではありません。それは、日々の喧騒の中に、ふと笑顔と心のゆとりをもたらしてくれる魔法の窓です。北川民治がたどり着いた、自由で温かい魂の世界。ぜひお手元で、その尽きることのない魅力をご堪能ください。
サイズ:額寸h36.5×幅44㎝ 絵寸h22.5×幅27.5cm
リトグラフ
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