「牛」
奥村土牛 (日本画家)
(説明)
日本画壇の巨匠、奥村土牛画伯(1889-1990)による、円熟期の境地を示す傑作、《牛》をご紹介いたします。
土牛は、花鳥風月を深く愛し、特に動物を好んで描きました。その作風は、写実を追求しながらも、対象の本質を捉えた、温かく、生命力に満ちた表現に特徴があります。
本作品の「牛」は、余分な線を削ぎ落とし、墨のにじみや濃淡を巧みに操ることで、その量感や穏やかな佇まいを見事に描き出しています。画面全体に広がる静謐な空気感は、土牛が晩年に到達した、物象を慈しむような優しい眼差しを物語っています。
シンプルながらも奥行きを感じさせる構図と、見る者の心を癒すような温かさは、まさに土牛芸術の真骨頂です。暮らしの中に、日本画の真髄を添える逸品として、自信を持ってお勧めいたします。
サイズ:
彩色/共シール
