小野忠弘

宇宙作家 小野忠弘 (おの ただひろ)

この作家の作品は、サンパウロ・ビエンナーレとヴェニス・ベンナーレに出品されたことがある。ただし、グランプリは与えられなかった。当然である。国際的作家ででも世界的作家でもないのだから。

小野さんは、地球を超えている。じつに宇宙作家なのである。

その作品は、いつも地球を貫いて宇宙の向こうまで噴き出る星である。灼熱している。語義矛盾に近いが、ひどく多彩で、しかも白金いろの白光を、発射している。そして、無軌道である。その星は、惑乱する。

祖仏共に殺す(千利休辞世)。小野さんは、美学はむろんのこと、思想も、宗教も、殺す。凄絶な凶悪人である。だが、美学や思想や宗教を殺さない星は、真実の宇宙の星ではないのである。  

 宗 左近