中畑艸人
洋画家
中畑艸人は、和歌山県出身の洋画家で、特に「馬」を主題とした躍動感あふれる作品で世界的に知られています。
初期: 1912年、和歌山県に生まれる。和歌山師範学校を卒業後、教諭を務めながら独学で絵を学び、のちに上京して**硲伊之助(はざま いのすけ)**に師事しました。
飛躍: 1930年代から「一水会展」や「帝展(現・日展)」で入選を重ね、1955年には日展で特選を受賞。洋画家としての地位を確立しました。
転機: 当初は風景画を主に描いていましたが、偶然訪れた競馬場で競走馬の姿に魅せられ、以後、馬をライフワークとするようになります。
国際的活動: 1960年代以降、頻繁に渡欧。フランスのサント・マリー・ド・ラ・メール(カマルグ地方)やスペインなどを訪れ、野生馬や闘牛、現地の風土を取材しました。
晩年: 1999年に87歳で逝去。中央競馬会(JRA)の馬事文化賞選考委員を務めるなど、競馬界・馬事界とも深い親交がありました。
主な特徴と画風
1. 「馬の画家」としての躍動感
中畑艸人の代名詞は、なんといっても疾走する馬です。解剖学的な正確さよりも、馬が持つ野生のエネルギーや、風を切って走るスピード感を、大胆かつ繊細な筆致で表現しました。
2. 情熱的な色使いと光の表現
特にヨーロッパ取材を経てからは、南欧の強い日差しを感じさせる鮮やかな色彩や、コントラストの効いた画面構成が目立つようになりました。水彩画のような透明感と、油彩の重厚さを併せ持った独特の質感も特徴です。
3. 社会的・精神的なメタファー
単なる動物画に留まらず、馬を「自由」や「生」の象徴として描きました。晩年には阪神・淡路大震災をテーマに、逃げ惑う馬の姿を通じて人間の苦悩や阿鼻叫喚を表現した大作も残しています。
